数学

一次不定方程式を解く(2)

$ax + by = n$ の形の方程式を解いてみます。高校数学の「数学A」の履修範囲です。前回の記事の問題を拡張します。

例題

次の問題を解いてみます。

例題3

次の方程式の整数解を求めよ。

$$3x \; -\; 5y = 2$$

方程式 $$3x \; -\; 5y = 1$$ を解きます。この解の一つは、$x = 2, y = 1$となります。この解を2倍にした、$x = 4, y = 2$は、元の方程式$$3x \; -\; 5y = 2$$のひとつの解となります。

方程式は、

$$3(x\; – \; 4) – 5(y\, -\, 2) = 0$$

と書き換えることができます。このため

$$3(x\; – \; 4) = 5(y\, -\, 2)$$

が成立します。$3$と$5$は、互いに素であるため、$k$ を整数として、

$$x\; – \; 4 = 5k,\; y\, -\, 2 = 3k$$

を満たします。よって一般解は、$k$ を整数として、

$$x = 5k + 4,\; y = 3k + 2$$

となります。

解き方のまとめ

方程式 $ax + by = n$ は、$a$と$b$ が互いに素である場合に以下の解を持つ。

  • $ax + by = 1$ の解をひとつ求める。$x_1$、$y_1$ とする。この解は、$a$と$b$ が素であれば、必ず求めることができる。(前日の記事 例題2を参照)
  • $ax + by = n$ のひとつの解は、$n x_1$、$n y_1$ となる。
  • 一般解は、整数 $k$ とすると、以下となる、
    • $x = -b k + n x_1$
    • $y = a k + n y_1$

前提として、$a$と$b$ を素としたが、一般的に以下が成立する。

一次不定方程式の整数解が存在する条件

$ax + by = 1$ を満たす整数 $x$、$y$ が存在するための、必要十分条件は、$a$と$b$ が互いに素であることである。

証明は、数学Aの参考書を参照してください。

最後に

一般的な $ax + by = n$ の解き方に拡張できました。

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