$ax + by = n$ の形の方程式を解いてみます。高校数学の「数学A」の履修範囲です。何回かに分けて記事で紹介します。
例題
次の問題を解いてみます。
次の方程式の整数解を求めよ。
$$2x + 3y = 1$$
$x = -1, y = 1$は、ひとつの解となります。
方程式は、
$$2(x +1) + 3(y\, -\, 1) = 0$$
と書き換えることができます。このため
$$2(x + 1) = -3(y\, -\, 1)$$
が成立します。$2$と$3$は、互いに素であるため、$k$ を整数として、
$$x + 1 = -3k,\; y\, -\, 1 = 2k$$
を満たします。よって一般解は、$k$ を整数として、
$$x = -3k\, -\, 1,\; y = 2k + 1$$
となります。
次の方程式の整数解を求めよ。
$$5x + 8y = 1$$
ひとつの解を以下の考え方で求めてみます。互除法の考えを使います。
$$8 = 5 + 3$$
$$5 = 3 + 2$$
$$3 = 2 + 1$$
$5$と$8$ は、互いに素となるため、最終的に差が1となる式が表れます。これを逆に組み立てていきます。
$$3 \; – \; 2 = 1$$
$$5\; – \; 3 = 2$$
$$8 \; – \; 5 = 3$$
上の式から組み合わせ行くと、
$$3 \;- \; (5\;-\;3) = 1$$
$$(8\;-\;5)\; – \; (5\;-\;(8\;-\;5)) = 1$$
$$-3 \times 5 + 2 \times 8 = 1$$
が成立します。最終的に、$x = -3, y = 2$は、ひとつの解となります。よって一般解は、$k$ を整数として、
$$x = -8k\, -\, 3,\; y = 5k + 2$$
となります。
最後に
上記の解き方を拡張していきます。