数学

一次不定方程式を解く(1)

$ax + by = n$ の形の方程式を解いてみます。高校数学の「数学A」の履修範囲です。何回かに分けて記事で紹介します。

例題

次の問題を解いてみます。

例題1

次の方程式の整数解を求めよ。

$$2x + 3y = 1$$

$x = -1, y = 1$は、ひとつの解となります。

方程式は、

$$2(x +1) + 3(y\, -\, 1) = 0$$

と書き換えることができます。このため

$$2(x + 1) = -3(y\, -\, 1)$$

が成立します。$2$と$3$は、互いに素であるため、$k$ を整数として、

$$x + 1 = -3k,\; y\, -\, 1 = 2k$$

を満たします。よって一般解は、$k$ を整数として、

$$x = -3k\, -\, 1,\; y = 2k + 1$$

となります。

例題2

次の方程式の整数解を求めよ。

$$5x + 8y = 1$$

ひとつの解を以下の考え方で求めてみます。互除法の考えを使います。

$$8 = 5 + 3$$

$$5 = 3 + 2$$

$$3 = 2 + 1$$

$5$と$8$ は、互いに素となるため、最終的に差が1となる式が表れます。これを逆に組み立てていきます。

$$3 \; – \; 2 = 1$$

$$5\; – \; 3 = 2$$

$$8 \; – \; 5 = 3$$

上の式から組み合わせ行くと、

$$3 \;- \; (5\;-\;3) = 1$$

$$(8\;-\;5)\; – \; (5\;-\;(8\;-\;5)) = 1$$

$$-3 \times 5 + 2 \times 8 = 1$$

が成立します。最終的に、$x = -3, y = 2$は、ひとつの解となります。よって一般解は、$k$ を整数として、

$$x = -8k\, -\, 3,\; y = 5k + 2$$

となります。

最後に

上記の解き方を拡張していきます。

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