Aizu Online Judge（AOJ）が提供している「プログラミング応用」（ITP2）の7_A問題をC++で解いてみました。
ITP2では、「プログラミングのための基礎ライブラリを獲得します」とあります。トピック#7では、集合（set コンテナ）を学びます。
問題（7_A: Set: Search）
問題はリンク先をご覧ください。
Set コンテナについて学びます。
Set コンテナについて
以下は、cpprefjp 様の記事を参考にさせていただきました。
概略
Set コンテナは、集合を表す連想コンテナを提供します。
- 連想コンテナであり、要素自信がキーとなる。
- 内部の要素は、小さいものから大きなものへとソートされる。
- 要素（キー）の重複は許されない。
主なメソッド
よく使われるメソッドを紹介します。
| 名前 | 説明 |
| insert | 要素を挿入する。 |
| erase | 要素を削除する。 |
| size | 要素数を返す。 |
| empty | コンテナが空なら true を、そうでなければ false を返す。 |
| clear | すべての要素を削除する。 |
| find | 指定したキーで要素を探す |
| count | 指定したキーにマッチする要素の数を返す。 |
| lower_bound | 与えられた値より小さくない最初の要素へのイテレータを返す。 |
| upper_bound | 特定の値よりも大きい最初の要素へのイテレータを返す。 |
Set コンテナは、二分木を使って実装されるため、insert はコンテナのサイズの対数時間（log）で、erase は定数時間で処理できます。また、find や count もコンテナサイズの対数時間（log）で処理できます。
上記に加えて、二分探索で値を探索できる lower_bound（または upper_bound）も使うことができます。この機能は、7_C で解説します。
C++ プログラム例（ITP2 7_A）
問題で与えられるクエリに従い、整数の集合 S に対して、以下の操作を行います。
- クエリ0 insert により、与えられた x をコンテナ S に挿入する。
- クエリ1 コンテナ S に含まれる x の数を出力する（問題の制約より 0 か 1となります）。
Set コンテナで提供されているメソッドを、クエリに従い呼び出します。以下が、C++プログラムとなります。
#include <iostream>
#include <set>
using namespace std;
int main()
{
set<int> S;
int q;
cin >> q;
for (int i = 0; i < q; ++i) {
int command;
cin >> command;
if (command == 0) {
int x;
cin >> x;
S.insert(x);
cout << S.size() << endl;
} else if (command == 1) {
int x;
cin >> x;
cout << S.count(x) << endl;
}
}
return 0;
}上記プログラムは、AOJ で「AC（Accepted＝正解）」と判定されました。
最後に
Set は、応用の範囲が広く、競技プログラミングでもよく使われています。トピック#7を通じて、set コンテナについて理解を深めたいと思います。
引き続き、ITP2 の問題を紹介していきます。
