Aizu Online Judge(AOJ)が提供している「プログラミング応用」(ITP2)の3_D問題をC++で解いてみました。
ITP2では、「プログラミングのための基礎ライブラリを獲得します」とあります。トピック#3では、列に対する操作を学びます。
#3から#6は、alogrithm をインクルードして利用する機能を紹介します。全てのアルゴリズムは、データ構造の実装から切り離されています。アルゴリズムの要件(主にイテレータ)を満たせば動作します。
問題(3_D: Lexicographical Comparison)
問題はリンク先をご覧ください。
AOJ ITP2 3_D問題: Lexicographical Comparison
辞書式順序で比較する lexicographical_compare について学びます。
std::lexicographical_compare について
以下は、cpprefjp 様の記事を参考にさせていただきました。
std::lexicographical_compare は、2つのイテレータ範囲を辞書式順序で比較します。
template <class InputIterator1, class InputIterator2>
bool lexicographical_compare(
InputIterator1 first1,
InputIterator1 last1,
InputIterator2 first2,
InputIterator2 last2);
「辞書式順序」とはなんでしょうか。動きは以下のコードと等価になるようです。
- 真に前者が小さい場合に true を返す。同じ場合は、false を返す。
- イテレータ範囲の長さが合わない場合、短い方を小さいと判断する。
for ( ; first1 != last1 && first2 != last2 ; ++first1, ++first2) {
if (*first1 < *first2) return true;
if (*first2 < *first1) return false;
}
return first1 == last1 && first2 != last2;
C++ プログラム例(ITP2 3_D)
与えられた2つの数列が与えられます。2つの数列を辞書式順序で比較して、後者の数列の方が大きい場合は 1 を、前者の数列の方が大きい場合は 0 を出力します。
基本的に lexicographical_compare を呼び出すだけです。以下は、C++のプログラムです。
#include <iostream>
#include <algorithm>
#include <vector>
using namespace std;
int main()
{
int n;
cin >> n;
vector<int> a(n);
for (int i = 0; i < n; ++i) {
cin >> a[i];
}
int m;
cin >> m;
vector<int> b(m);
for (int i = 0; i < m; ++i) {
cin >> b[i];
}
if (lexicographical_compare(a.begin(), a.end(), b.begin(), b.end())) {
cout << 1 << endl;
} else {
cout << 0 << endl;
}
return 0;
}
上記プログラムは、AOJ で「AC(Accepted=正解)」と判定されました。
最後に
この機能(lexicographical_compare)は、この問題を解くまで知りませんでした。このライブラリ関数を学ぶことで、辞書式順序について理解を深めることができました。
引き続き、ITP2 の問題を紹介していきます。