2022年秋に受験した「情報処理安全確保支援士試験」(登録セキスペ)に合格しました。50代の資格試験の対策は、若い人の対策とは異なる面がありますが、紹介します。
経緯について
3回目受験での合格でした。動機や経緯を紹介します。
受験の動機
担当している組込み製品で、セキュリティ対策について考慮する必要がでてきました。もともと暗号やハッシュで使われているアルゴリズムには興味がありましたが、この機会に網羅的に学ぼうと思いました。
プロフィールにも記載しましたが、若い時にスペシャリスト系の試験に合格しています。受験を通して、いま持っている知識を学び直すことは有効だと感じていました。
初回受験 2021年秋試験(2021年10月10日)
対策をするより、まず受験しました。もともとネットワークやデータベース、コンピュータに関する知識は持っており、午前Iについては心配していませんでした。一方、セキュリティの知識を中心に問われる午前Ⅱについては、明らかに対策が足りていませんでした。
結果は、午前Ⅰ:91.80点(中途半端な点数になった事情は分かりません。)、午前Ⅱ:44点で、午前Ⅱで不合格となりました。各科目60点で合格、不合格以降の科目は採点されません。
試験自体は不合格でしたが、午前Ⅰが合格点に達していたことにより、2回目以降の午前Ⅰは免除されることになりました(免除期間は2年間)。これで2回目以降の受験負荷が減りました。
2回目受験 2022年春試験(2022年4月17日)
前回落ちた午前Ⅱを中心に対策しました。過去問を解いて、問題文中にある知らない用語を理解することが中心でした。
対策の効果もあり、午前Ⅱ:84点、午後Ⅰ:66点でした。残念ながら午後Ⅱ:57点で、3点足らずに不合格となりました。不合格でしたが、受験していれば、いつかは合格点に達するような気がしました。
3回目受験 2022年秋試験(2022年10月9日)
午前Ⅱで問われる用語などについて、過去問を解きなおして復習しました。
結果としては、午前Ⅱ:80点、午後Ⅰ:61点、午後Ⅱ:65点でした。ぎりぎりの点数でしたが、合格しました。
受験したときの手ごたえでは、午後Ⅰは2問解いた大問ひとつはほぼ解けたと考えており、実際の点数との乖離がありました。これは、その分野での習熟度が低いと発生する現象だと考えています。その意味で、セキュリティについてはまだまだ学ぶべきことが多くあります。
対策について
試験対策は、どうしても個人による差がでます。その前提で読んでいただければと思います。
午前対策
参考書として、以下2点を購入しました。
- 令和03年 情報処理安全確保支援士パーフェクトラーニング過去問題集
エディフィストラーニング株式会社著 2021年 技術評論社 - 令和04年 情報処理安全確保支援士合格教本
岡嶋裕史著 2021年 技術評論社
まず過去問題集を購入して、問題の形式を把握しました。初回受験後に、一通りの知識を学ぶために参考書を購入しました。
午前Ⅰ、午前Ⅱともに知識を問われる問題です。また、過去問と同じ問題が、ある程度の割合で出題されます。午前対策として、書籍購入特典の過去問演習サイト(DEKIDAS-WEB)が非常に効果的でした。
基本の対策は、過去問を解いて知らない用語を検索して、内容を理解することでした。
午後対策
AtCoder で緑レートになったときにも記しましたが、この年齢になると、書籍やサイトに書いてあることをやりきることが難しくなります。午後については、午前と異なり過去問題をほとんど解いていません。その替わりに、自分の担当業務を通してセキュリティに関係する用語や技術的な考え方を理解するようにしました。
登録セキスペは、どちらかと言えば IT 系を中心に問われる面があります。ただし、運がよかったのか、合格した午後Ⅰ試験では、家電製品について問われました(問1)。
また、わたくしが務めている企業では、IT 系のセキュリティについての情報発信がある程度されており、その発信内容を理解するようしました。これはある程度の規模がある企業であれば、似たような状況であると思います。IT 系のセキュリティに関する問題が企業にとっても現実的な脅威になっているからでしょうか。
2回目、3回目の試験結果から、実力は向上しておらず、その試験時のちょっとした出来不出来で合格不合格が分かれたと考えています。
組込み製品を担当する前に、IT 系のソフトウェア技術者の経験がありました。TCP/IPなどの基本的な考えを理解していたのは、大きかったと思います。
集中力がある若い技術者の方には、推薦しにくい対策方法です。このようなやり方(実務で関係する話題に注目して学び、何回も試験を受ける)でも、合格したという一例だと考えていただければと思います。
最後に
情報処理安全確保支援士の登録について、情報処理推進機構から、オンラインで説明会がありました。継続的な研修受講が必要となりますが、最新のセキュリティ事情も把握できるようです。技術者として実力保持することを目的に登録しようと考えています。
このブログでは、プログラミングを中心に紹介しています。少し毛色が異なる記事となりましたが、合格までの経緯をまとめました。