AtCoder が提供しているABC(AtCoder Beginner Contest)388 E問題をC++とPythonで解いてみました。ABC388は、2025年1月11日21:00に実施されました。
AtCoder の紹介はこちらに、プログラミングの方針はこちらに記事があります。
E問題 Simultaneous Kagamimochi(Difficulty : 1068)
問題の詳細は、リンク先をご覧ください。
ABC388 E問題 Simultaneous Kagamimochi
餅を大きい組と小さい組に分けて貪欲法で処理します。AtCoder Problems による Difficulty は 1068 でした。
解答案
次のような貪欲法を考えます。
貪欲法1
餅を大きい方から処理する、その半分以下のもっとも大きい餅から組にしていく。
貪欲法1の反例)「2, 3, 4, 8」を考える。8 に対して半分以下で最も大きいのは4となりこれを抜いた「2, 3」は鏡餅にならない。一方、「2, 4」と「3, 8」と2つの鏡餅を作ることができる。
貪欲法2
餅を小さい方から処理する、その2倍以上のもっとも小さい餅から組にしていく。
貪欲法2の反例)「1, 2, 3, 4」を考える。1 に対して2倍以上で最も小さいのは2となりこれを抜いた「3, 4」は鏡餅にならない。一方、「1, 3」と「2, 4」と2つの鏡餅を作ることができる。
どちらの貪欲法もうまく行きませんでした。正解は以下となります。
正解の貪欲法
餅を大きい餅と小さい餅の集合に個数が半分になるように分ける。小さい餅の集合の小さい餅から処理をする。この餅の2倍以上の最小の餅を大きい餅の集合から選んで組にする。これは小さい餅の集合と大きい餅の集合が組になっていない場合、その組み合わせを変えて、小さい餅の集合と大きな餅の集合から選ぶことができるためです。
C++ プログラム例(ABC388E)
正解の貪欲法を実装します。
- 大きい餅の集合
big
と小さい餅の集合small
に分けます。 - 小さい餅の集合から小さい順に餅を選びます。
- その餅の2倍以上の最小の餅を
big
から選ることができたら解を増やします。 - 大きな餅をどこまで選択されたかは、変数
used
で管理しています(23、26行目)。
- その餅の2倍以上の最小の餅を
以下が、C++プログラムです。
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
int main()
{
int n;
cin >> n;
vector<int> small;
vector<int> big;
for (int i = 0; i < n; ++i) {
int a;
cin >> a;
if (i >= n / 2) {
big.push_back(a);
} else {
small.push_back(a);
}
}
int result = 0;
int used = 0;
for (int i = 0; i < (int)small.size(); ++i) {
auto it = lower_bound(big.begin() + used, big.end(), small[i] * 2);
if (it != big.end()) {
++result;
used = it - big.begin() + 1;
} else {
break;
}
}
cout << result << endl;
return 0;
}
AC(Accepted=正しいプログラム)と判定されました。
Python プログラム例(ABC388E)
Python版も基本的な考え方は同じです。二分探索のオプション引数に lo
に変数 used
の値を指定します(17行目)。以下がプログラムです。
"""AtCoder Beginner Contest 388 E"""
import bisect
n = int(input())
a = list(map(int, input().split()))
small = []
big = []
for i in range(n):
if i >= n // 2:
big.append(a[i])
else:
small.append(a[i])
result = 0
used = 0
for e in small:
t = bisect.bisect_left(big, e * 2, lo=used)
if t != len(big):
result += 1
used = t + 1
print(result)
こちらも「AC」と判定されました。
最後に
E問題は、冒頭に紹介した間違った貪欲法と格闘していて時間が切れました。勉強になりました。
引き続き ABC の問題を紹介していきます。