ABC(AtCoder Beginner Contest)190 のF問題をC++で解いてみました。セグメント木の演習です。
AtCoder の紹介はこちらに、プログラミングの方針はこちらに記事があります。
F問題 Shift and Inversions(Difficulty : 1321)
問題はリンク先をご覧ください。
ABC190 F問題 Shift and Inversions
セグメント木を使って反転数を求めます。AtCoder Problems による Difficulty は 1321 でした。
解答案
セグメント木を使って反転数を求めることは、AOJ ALDS1 5_D で紹介していました。
値0からN-1までを重複なく持つ数列 a0, a1, …. aN-1 に対して、以下の処理をします。
- 空のセグメント木を用意する。
- 要素 a0 より大きい範囲にある数字を合計する。具体的には、[a0+1, N) の合計を求める。初期値なので、この値は0である。
- 要素 a0 を1にする。
- 次に要素 a1 より大きい範囲にある数字を合計する。具体的には、[a1+1, N) の合計を求める。 この値を変数 result に加える。
- 要素 a1 を1にする。
- ・・・
- これを aN-1 まで繰り返すと、result に反転数が格納されている。
値をセグメント木の要素に格納して、何かの処理をするのは、ABC339E問題(解説)でも紹介しました。
C++ プログラム例(ABC190F)
問題の制約から反転数は32ビットに収まらないため、ACL にあるセグメント木クラス segtree を使います(自前ライブラリは、int固定で実装していました)。
最初の並びの反転数は、セグメント木を使って求めます(28-33行目)。
2行目以降の出力ですが、a[i] が最後に移動することにより、以下の計算をします。
- a[i] より大きい、n-1-a[i] 個の反転数が増えます。
- a[i] の後ろにある 0 から a[i]-1 までの a[i] 個の反転数が減ります。
以下が、C++プログラムとなります。
#include <bits/stdc++.h>
#include <atcoder/segtree>
using namespace std;
using namespace atcoder;
typedef long long int ll;
ll op(ll a, ll b)
{
return a + b;
}
ll e(void)
{
return 0LL;
}
int main()
{
int n;
cin >> n;
vector<ll> a(n);
for (int i = 0; i < n; ++i) {
cin >> a[i];
}
ll result = 0;
segtree<ll, op, e> st(n + 1);
for (int i = 0; i < n; ++i) {
result += st.prod(a[i] + 1, n);
st.set(a[i], 1);
}
cout << result << endl;
for (int i = 1; i < n; ++i) {
result += n - 1 - a[i - 1];
result -= a[i - 1];
cout << result << endl;
}
return 0;
}
どちらも AC(Accepted=正しいプログラム)と判定されました。
最後に
セグメント木の演習を増やすために記事を書きました。セグメント木についての記事は、タグから検索できます。
引き続き ABC の問題を紹介していきます。